日本では茶玩という名前が一般的になっている紫砂などで作られた小さな置物です。中国語では「茶宠（茶寵）」といい、茶壺同様コレクション価値の高い品物として知られています。茶玩にはユーモラスな造形のものも多くあり、お茶の席を囲む人たちとの場を和やかにする効果や、文化的な息づかいをそれとなく伝える効果もあります。 これは蒋菊芳氏＊の全ハンドメードの作品で美しい緑色の蓮の葉と花と蓮の葉の上に可愛らしいアオガエルがザインされています。この作品を手で持ってみるとしっくりとした蓮の葉の質感を感じます。包み込むような暖かさを感じる蓮の葉とちょっとユーモラスなアオガエルの対比がとてもユニークです。お茶の席に置いておくと楽しい存在になるでしょう。 この様子を見ていると物語が見えてくるようです。 ある日静かな池のほとりに美しい蓮の花が咲いていました。その花は清らかで緑の葉が優雅に水面に浮かんでいました。ある夏の日、小さなアオガエルがその葉に座っていました。彼は緑色の体と大きな黒い目を持っていて、その愛らしい姿はまるで絵本から飛び出してきたようでした。彼は毎晩星が輝く夜空を見上げながら蓮の花に話しかけ、蓮の花も彼の訪問を楽しみにしていました。彼女は優雅に咲き風に揺れる葉の上で彼の物語を聞いていました。「どんな冒険をしてきたの？」アオガエルは「私は遠くの森を旅して星の光を追いかけてきたんだ。でもここに来て初めて本当の家を見つけた気がするよ。」と。アオガエルと蓮の花は夜空を見上げながら、友情の絆を深めていったのでした。 ＊蒋菊芳氏（女）：国家美術工芸家、上級美術工芸家、国家上級技術者、紫砂芸術監督。 1974年江蘇省宜興市生まれ、1991年第五紫砂工芸工場に入りその後上海美術学院に入学、多くの専門家や教授の指導の下、工芸技術とデザイン理論を体系的に学びました。 2012年無錫人事局から「国家工芸芸術家」の称号を授与されました。 同氏は中国陶磁器産業協会の会員で、また宜興市陶磁器彫刻協会の副事務局長です。彫刻と紫砂の鉢を組み合わせた作品を得意とし、芸術と彫刻の制作を統合した多様な作品を制作しています。彼女の作品は国内外のコレクターから高い評価を得ており、数々の賞を受賞しています。 仕様：全幅：15cm、全高：3.9cm、長さ：14.6cm 材料：紫砂 作成：全ハンドメイド 専用箱付。